感染性胃腸炎は、細菌やウイルスなどの病原体が経口感染することで起こる消化器症状の総称で、有名なものにノロウイルスやロタウイルス、サルモネラ菌などがあります。
ノロウイルスやロタウイルスは主に冬場、サルモネラ菌は夏場と時期によって変わりますが、感染症自体は一年を通じて発生します。
ノロウィルスによる感染症は感染性胃腸炎を発症し重度の下痢やおう吐を繰り返すことが特徴ですが、なによりインフルエンザに匹敵するほどの感染力を持ち、感染した人の排泄物からも空気感染し さらには熱湯にも強いため漂白剤のような塩素系でしか消毒できないため注意が必要です。
感染性胃腸炎の症状
度々ニュースになることでも分かるように、学校などの施設で給食から感染することが多く、集団感染が多いのが特徴で、毎週のように感染性胃腸炎の報告が挙がっています。
吐き気や嘔吐、下痢や腹痛、さらには発熱などを伴い、全身の倦怠感やぐったりとした状態になることもあります。現在のところ感染性胃腸炎には有効な治療薬がないため、病院で症状を診断してもらったら、あとは自宅での治し方でも治療が可能です。
大人の感染性胃腸炎の症状は?
大人が感染性胃腸炎に感染した場合も子供の症状と同じように下痢や嘔吐、発熱などが見られます。感染したウイルスによって症状に多少の違いはあります。子供の方が治まるまでに時間が長いことがありますが、症状としては、大人も同じです。
大人でも感染性胃腸炎に感染した場合は、突然の嘔吐から始まることが多いです。下痢の場合は、3日から4日程度で治まる場合もあれば1週間程度続く場合もあります。
感染性胃腸炎の潜伏期間は?
病原体によって潜伏期間は異なるものの、大体1~3日程度と言われています。
代表的な病原体の潜伏期間としてはノロウイルスの場合は1~2日、ロタウイルスの場合も同じく1~2日と言われていますが、ロタウイルスによる感染性胃腸炎では3~4日程度の潜伏期間がある場合もあります。
感染性胃腸炎の予防法は?
感染性胃腸炎の予防方法としては、しっかり手を洗う事が有効だと言われています。
・特に調理や食事をする前、トイレに行った後、外出して帰宅した際には石鹸を使って入念に手を洗うようにしましょう。
・食材を調理する際には食品の中心部の温度が85度になった状態で1分以上加熱するように心がけて下さい。
・感染者の嘔吐物や便には直に触れず、マスクやエプロン、手袋など使い捨てのものを使って処理する
これらは感染性胃腸炎の予防方法の代表的な方法です。処理後は塩素系消毒剤や家庭用漂白剤を薄めたものを使用して、嘔吐物などがあった場所を消毒、また手もしっかり洗いましょう。
ロタウイルスの予防方法としては、予防接種も行われています。
自宅での治し方や食事について
自宅での治し方は、嘔吐、下痢によってウイルスを排出するといった方法で、その際、大量の水分が失われるため、脱水症状による原因で死亡するといったケースもあり治療には十分な水分補給が必要となります。
(単なる水ではなく塩分の入った水を飲むように)
また身体にとって重要なナトリウムやカリウムを摂取する必要もあるため、ミネラルが含まれるスポーツドリンクを少量で、何度も補給することが望まれています。
【スポーツドリンクがない場合には】
湯冷まし1リットルに砂糖を40gと食塩を3gで作ることができます。よくかき混ぜて飲みやすい温度に調整してから飲むようにしましょう。
食事は腹痛がひどい間は絶食が基本とされ、お粥やスープでも胃腸に負担がかかることは避けるようにします。腹痛が治まってきたころに、スープなど胃腸の調子を見ながら少しずつ食べて、症状が再発しないことを確認してから普通の食事に戻していきましょう。
治し方は以上の方法で良いのですが、明らかに血便が出ている時や、発熱がひどい時には、感染性胃腸炎以外の症状も考えられるため、医師の診察が必要となります。
感染性胃腸炎にかかったら出勤は?
実際にノロウイルスによる感染した場合には誰とも接触せずに排せつされるのを待つしかないのですが、しかし学業や就業では待っている余裕がないのも事実です。
そこでウィルスによる感染の場合には会社の出勤停止という措置が行われるのですが、しかし注意しなければならないことは出勤停止は可能かどうかは会社によって違いが出ることがあります。それは感染性胃腸炎がノロウイルスが原因で発症していたとしても、先に言ったインフルエンザと違い命にかかわると言うほどではないため会社によっては感染したとしても出勤停止されることがないことが多いのです。
会社を出勤停止にする方法について
しかし感染性胃腸炎がノロウイルスでの原因の場合、その感染力が強いため集団で発症されると会社業務が成り立たなくなることになるのです。
そこで医者に感染していることを伝えられれば会社の方針はどうあれ自主的に出勤停止することが大事であり、その経緯を伝えることです。最近では会社もその危険性を認識していることが広まっているので、申請すれば出勤停止が可能となることが増えています。